後遺症の機能回復

2025年12月
  • 熱中症後のめまいと立ちくらみ?自律神経の関与

    知識

    熱中症から回復した後も、めまいや立ちくらみが続くという症状を訴える人は少なくありません。これらの症状は、特に急に立ち上がったときや、長時間立っているときに顕著に現れることがあり、日常生活に不安や不便をもたらします。この熱中症後のめまいや立ちくらみの主な原因の一つとして、自律神経の機能不全が深く関わっていると考えられています。自律神経は、私たちの意思とは関係なく、血圧や心拍数などを自動的に調整し、体の恒常性を保つ重要な役割を担っています。特に、姿勢の変化に伴う血圧の変動に対応する機能は、自律神経の働きによって制御されています。熱中症になると、体温の異常な上昇と大量の発汗による脱水で、体内の水分や電解質のバランスが大きく崩れます。この状態は、血管を収縮させたり拡張させたりする自律神経の働きに大きな負担をかけ、その機能を一時的または永続的に損なう可能性があります。その結果、熱中症から回復した後も、自律神経が血圧を適切に調整できなくなり、めまいや立ちくらみといった症状が後遺症として現れるのです。具体的に、めまいや立ちくらみが起こるメカニズムは、起立性低血圧と関連しています。通常、人が座った状態から立ち上がると、重力の影響で血液が下半身に移動し、一時的に脳への血流が減少します。しかし、自律神経が正常に機能していれば、すぐに血管を収縮させたり心拍数を上げたりすることで血圧を維持し、脳への血流が確保されます。しかし、熱中症によって自律神経がダメージを受けると、この血圧調整機能がうまく働かなくなります。立ち上がった際に血圧が十分に上がらず、脳への血流が一時的に著しく低下することで、めまいや立ちくらみ、ひどい場合には失神してしまうこともあります。また、自律神経の乱れは、内耳の平衡感覚を司る神経にも影響を及ぼすことがあります。内耳は、体の傾きや頭の動きを感知し、平衡感覚を保つための重要な器官ですが、自律神経の不調によってその機能が低下すると、ふわふわとした浮動性のめまいや、回転性のめまいを感じることがあります。