後遺症の機能回復

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  • 熱中症と自律神経失調!見過ごされがちな後遺症

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    熱中症は、高温多湿な環境下で体温調節機能が破綻し、めまい、吐き気、頭痛、意識障害などを引き起こす深刻な病態です。重症化すると命に関わることもあるため、その急性期の症状への注意喚起は広く行われています。しかし、熱中症から回復した後も、体調不良が続くケースがあり、その原因として「自律神経失調」が深く関わっていることが近年注目されています。これは、熱中症の「見過ごされがちな後遺症」と言えるでしょう。自律神経は、私たちの意思とは関係なく、心臓の拍動、呼吸、消化、体温調節、発汗など、体の基本的な生命活動をコントロールしている神経系です。交感神経と副交感神経の二つがあり、それぞれがバランスを取りながら体の機能を調整しています。熱中症になると、体温が異常に上昇し、大量の汗をかくことで体内の水分や電解質のバランスが崩れます。この極端なストレスが自律神経に大きな負担をかけ、そのバランスを乱してしまうのです。具体的に、熱中症が自律神経に与える影響は多岐にわたります。まず、体温調節中枢がダメージを受けることで、熱中症から回復した後も、体温調節がうまく機能しなくなることがあります。暑さに対する耐性が低下したり、わずかな気温変化で体調を崩しやすくなったりすることがその例です。また、発汗機能も乱れることがあり、汗をかきすぎたり、逆に全く汗をかけなくなったりするケースが見られます。これにより、体の放熱がうまくできず、再び体温が上昇しやすくなるという悪循環に陥る可能性もあります。自律神経が乱れると、心臓や血管の働きにも影響が出ます。動悸や息切れが頻繁に起こるようになったり、血圧が不安定になったりすることがあります。消化器系にも影響が現れ、食欲不振、吐き気、下痢や便秘といった症状が続くことがあります。さらに、睡眠の質が低下し、不眠や倦怠感が慢性化することも少なくありません。これらの症状は、日常生活における集中力の低下や、精神的な不安定さにもつながり、うつ病や不安障害といった精神疾患を併発するリスクも高まります。