帯状疱疹後遺症、特に帯状疱疹後神経痛(PHN)は、高齢者において発症リスクが高く、かつ症状が重篤化しやすいという特徴があります。加齢とともに免疫機能が低下することに加え、神経の修復能力も衰えるため、高齢者にとって帯状疱疹後遺症は深刻な健康問題となります。ここでは、高齢者におけるリスク要因と、適切なケアの重要性について考察します。高齢者が帯状疱疹後遺症を発症しやすい主な理由は、加齢に伴う「免疫力の低下」にあります。水ぼうそうウイルスは、一度感染すると神経節に潜伏し、体の免疫力が低下した際に再活性化して帯状疱疹を引き起こします。高齢になると、若年層に比べてウイルスを抑制する免疫機能が弱まるため、ウイルスの再活性化が起こりやすく、帯状疱疹の発症リスクが高まります。さらに、帯状疱疹を発症した場合、神経へのウイルス攻撃がより深刻になりやすく、神経損傷が広範囲に及んだり、修復が遅れたりするため、PHNへの移行リスクが高まります。また、高齢者はPHNの症状が重くなりがちで、痛みが長期間続く傾向があります。痛みの質もより激しく、焼けるような痛みや電気が走るような痛みを訴えることが多く、日常生活に大きな支障をきたします。特に、触れるだけで痛みを感じるアロディニアなどの症状は、高齢者のQOLを著しく低下させ、着替えや入浴などの基本的な動作さえ困難にさせることがあります。PHNの痛みは、高齢者の精神面にも大きな影響を及ぼします。慢性的な痛みは、睡眠障害、食欲不振、活動性の低下を招き、うつ病や不安障害の発症リスクを高めます。社会活動からの孤立感、生きがいの喪失なども加わり、高齢者の生活の質は著しく低下しかねません。このような状況は、認知機能の低下を早めたり、身体機能のさらなる悪化を招いたりする悪循環につながることもあります。高齢者における帯状疱疹後遺症の予防とケアには、特別な配慮が必要です。最も重要な予防策は、「帯状疱疹ワクチンの接種」です。特に、免疫力の低下が顕著な50歳以上の成人には、不活化ワクチンの接種が強く推奨されています。
帯状疱疹後遺症と年齢?高齢者のリスクとケア